健康とリーキーガット
アイジー研究所
内山 きよし
私たちの小腸は、バクテリアが住んでいて、バクテリアの出す粘液が腸壁を覆い、化学物質から腸壁を守っています。
腸壁の働きについては、「Regulatory T Cells, Th17 Effector Cells and Cytokine Microenvironment in Inflammatory Bowel Disease and Coeliac Disease」を御参照下さい。
リーキーガットについては次の文献を参照して下さい。
「Leaky Gut Syndrome」
「A Leaky Gut Can Lead to Serious Health Issues」
2歳から6歳の幼児の腸はバクテリアの粘液で守られています。
そこに抗生物質や感染菌、酵素などがやってくると、腸内バクテリアを殺してしまいす。すると、粘膜が無くなり、胃酸や酵素などで腸壁が壊れ、血管がむき出しになります。すると、未消化のたんぱく質などが血管に入り、血管中の抗体が検知し、抗体によって異物と認定されると、抗体は活性化されます。
子供の頃に病気の治療などで抗生物質を飲むと、病気は治ります。抗生物質は細菌を殺します。腸を守っている細菌が死にます。
細菌が死ぬと腸内環境が壊されます。 すると胃酸や酵素や化学物質によって腸壁が壊され、微小な穴が開きます。これを「リーキーガットになる」と言います。
リーキーガットになると、腸の穴から食物たんぱく質から漏れ出て、血流に入ります。
つまり、食物たんぱく質が血流に入ります。
血流中には体を守る色々な抗体がいます。抗体が食物たんぱく質を検知し、異物と判断する場合があります。
すると、体の免疫機能が働き始めます。
体に影響が現れます
どの抗体が働いているかが分かると、異物と認識されている食物が分かります。
「どの抗体が働いているか」を知る為に、IgG検査とIgA検査の抗体検査を試みます。
抗体と結びついている問題の食物が判明します。
問題の食物を食べるのを止めます(ダイエット)。
腸内から問題の食物が血流に入らなくなります。
体の影響が消え始めます。(自閉症の症状が消えます)
腸内環境を良くする努力をして、リーキーガットを無くします。
IgG検査やIgA検査はアレルギー検査では無く、抗体検査と呼ばれています。
この違いを表にまとめてみましょう。
アレルギー検査(IgE検査) | 抗体検査 (IgG, IgA)検査) |
IgEのアレルギー症状では ヒスタミンが体内で産生されます。 | IgGやIgAのアレルギーでは、ヒスタミンは産生されません。 |
IgEのアレルギーは皮膚テストを行って症状が現れるかどうかを検査します。 | 皮膚には症状が現れません。 吹き出物は出ます。 |
IgEのアレルギー重症ではアナフィラキシーショックを呈します。 | アナフィラキシーショックはありません。 |
通常、アレルギー検査と呼ばれています。 | IgGやIgAの検査は抗体検査と よれています。 |
IgEはアレルギー反応、蕁麻疹、くしゃみなどの診断に利用されます | IgGやIgAは慢性疾患、精神障害の診断に利用されます。 |
これを図で描くとこうなります。
さて、IgG抗体検査をした場合の結果をお見せします。
この例は、2歳の自閉症の男子、の例です。
卵の卵白と卵黄がレベルVI、 牛乳・チーズ等の乳製品がレベルVとVIになっています。
この異常に高い値は、リーキーガットから卵と乳製品のたんぱく質が漏れていて、血流に入り、抗体と結びついている事を表しています。